他者は自分と同じ世界を見ているのか?

体験談

 少し前、企業等が無料で配布する情報誌に「まちがいさがし」がありました。子どもが楽しむことを意図しての掲載であり、5つしかないというので気軽に始めたのですが、一週間かけても5つ目が見つかりませんでした。他の4つはすぐに見つけられたので、そんな難しいはずはないだろうと思って何度も見直すのに、まるでわかりませんでした。

 一週間後に〝もういいかげんあきらめるか……〟と思ってその冊子を捨てようとした瞬間、5つ目の間違いが目に飛び込んできました。ーー気づけば、あまりにも明白な間違いで、〝なんで気づかなかったんだろう〟と首をかしげるばかりです。

 私が最近常々思うのが、こういう出来事はある種の〝シンクロニシティ〟だったりすることです。おそらく、〝何か見えていない物事がある〟との警告か、〝何か見えていない物事があったのだけれどもクリアできた〟というお知らせか、どちらかではないかと思いました。後者かと思うのですが、それというのは、ネットオークションで出品している物が〝落札される〟時は(オークションは断捨離が目的で取り組んでいます)、〝思い込みなどが手放せてうまくいっている〟ことが多いからです(笑)。

 (あるいは、取り組むだけ取り組んでみたら、いったんそこから離れることも大事ですよ、といったメッセージであるのかもしれません。)

 自分が見ているのと同じ世界を他者は見ていないーーこの事実に、私はまったく気づかないで生きてきました。人間関係の苦しみの多くはそこにありました。その頃のことを思い返すと、友人や職場の人が見逃してくれていたことに思い至り、恥じ入るばかりです。

 ユングの心理学的タイプを学ぶと、人間が自分のフィルターを通して世界や他者のことを見ている(判断している)かがわかります。例えば、私は自身の経験的な判断や論理的な思考を重視するタイプなので、直観的に物事を決めている人たちの行動に常に振り回されてきました。何を根拠に彼・彼女らがその行動をとるのかがわからずに、反発したり不安を訴えたりするも、相手はそれに対する明確な回答を示さないことがストレスになりました。しかしながら、彼・彼女らは考えずともその結論に至っている(そして、成功することが多い)と理解するのに、何十年もかかりました。

 いかに狭い視野で物事を見ていたかに気づいた私ではありますが、今なお悪戦苦闘の日々です。このブログでよく記している、人間存在についての視野の狭さをなかなか払拭できずにいます。


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